サンクコストとは?意味・使い方・注意点をやさしく解説

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サンクコストとは?

サンクコスト(sunk cost)とは、すでに支出してしまい、回収不能な費用のことを指します。この用語はビジネスや経済学において非常に重要です。一度使ってしまったコストは、その後の意思決定には影響を与えないべきなのですが、現実には多くの人がこれを考慮に入れてしまいます。その結果、理性的ではない決定が下されることがあります。

たとえば、新しいプロジェクトに多額の投資をしてしまった場合、期待通りのリターンが得られないと分かっていても、さらに資金を投入し続けてしまうことがあります。これがサンクコストの典型的な問題です。

語源・由来

サンクコストという言葉は、英語の「sunk」から来ています。「sunk」は「沈む、沈没する」という意味を持ち、費やされた資金がすでに浪費され、回収できない状態を象徴しています。この用語はもともと経済学や会計学の分野で使用されてきましたが、その後ビジネス全般で広く使われるようになりました。

この概念は、1960年代にノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンなどによって広く知られるようになり、多くの経済学者がその重要性を説いてきました。

使い方・具体例

  • ある映画製作会社が、映画の製作に巨額の資金を使ったが、試写段階であまり人気がないと判明。それでも、この投資を惜しんで公開を強行しようとする。
  • ソフトウェア開発プロジェクトが予算を大きく超過していても、そのまま開発を続行し、更なるコストがかかる事例。
  • 新しいレストランの開業準備に多くの資金を投下したが、需要が予想を大きく下回ることが判明。撤退を決断できずに損失を広げてしまうシナリオ。

注意点・よくある誤解

サンクコストに影響されない意思決定が理想的ではあるものの、心理的な障壁がそれを難しくします。人間の心理は、一度費やしたものを無駄にしたくないと考える傾向があるため、冷静さを失いがちです。また、サンクコストと固定費用を混同し、混乱してしまう事例もあります。

固定費用は、業務を行う上で継続的に発生する費用であり、サンクコストとは異なります。固定費用は事業運営に必要な経費として計上されるため、将来の決定に影響を与える場合があります。

まとめ

サンクコストは、ビジネス上の意思決定において避けて通れない概念です。すでに支出された費用のために、更なる損失を招くリスクを減らすため、合理的な選択を心がけることが重要です。感情ではなく、数字や市場の状況を基にした冷静な判断が求められます。

また、サンクコストに対する理解を深めておくことで、同様の問題に直面した際に効果的な対処ができるようになります。この知識を活かし、健全な経営や個々のプロジェクト評価を行い続ける姿勢が重要です。

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