SLAとは?意味・使い方・注意点をやさしく解説
サーヴィス・レベル・アグリーメント(SLA)とは?
サーヴィス・レベル・アグリーメント(Service Level Agreement、以下SLA)とは、サービス提供者と顧客との間で交わされる契約の一部であり、期待されるサービスの質や可用性を定めた 条項や基準のことを指します。
この合意は、特にIT業界で多用され、利用者が期待するサービスの水準を具体的に明文化するための手段として使われています。
SLAには、稼働時間や応答時間、修復時間、セキュリティ対策など、サービスそのものの可用性から品質までを幅広く含みます。こうした基準の設定は、サービス提供者と顧客双方にとって透明性を持つための重要な手段です。
語源・由来
SLAという言葉は、1990年代半ばから特にIT関連のサービスが急速に発展した時期に広がりました。それ以前は、サービスの品質や提供条件についての厳密な取り決めが少なかったため、トラブルが発生した際に解決が困難な場合も多々ありました。
その結果、事前に詳細な基準を定めることで、問題に対する予防と迅速な対応を可能にする目的でSLAが発展しました。語源としての”Service Level Agreement”は、サービスの詳細(Service)、その品質指標(Level)、それを正式に取り決めた合意(Agreement)を示しています。
使い方・具体例
- ITサポートサービスにおいて、問題発生から1時間以内に応答することを明記したSLA。
- クラウドサービスで99.9%の可用性を保証するための特定の条件を定めたSLA。
- コールセンターにおいて、電話応答時間を30秒以内に収めることを目指すSLA。
- 物流や運送業にて、遅延発送に対して返金条件を定めたSLA。
注意点・よくある誤解
一般的な誤解として、SLAは契約全体をカバーするものではなく、あくまで特定のサービスの質に関する部分的な取り決めです。これに対して、契約そのものはもっと広範な内容を含んでいます。
また、SLAを設定する際には、具体的な数値や条件を明記しないと、提供者と顧客の間で認識が食い違い、その後のトラブルを招く原因となることがあります。たとえば、”迅速な対応”という表現だけでは不十分で、具体的な応答時間や復旧時間を記載することが求められます。
まとめ
SLAは、サービス提供者と顧客の双方に利益をもたらす重要な契約条項です。特にIT業界においては、トラブルを未然に防ぎ、発生した問題を迅速に対応するために不可欠な要素です。
曖昧な条件が含まれるとトラブルの元になるため、具体的かつ明確な表現が求められます。それにより、お互いが納得のいく形でサービスを利用し、提供することが可能になります。