クラウドファーストとは?意味・使い方・注意点をやさしく解説
クラウドファーストとは?
クラウドファーストとは、企業や組織が新たな情報技術(IT)戦略を策定する際、まずクラウドサービスの利用を検討し、それに基づいてシステム構築や運用を進める方針のことを指します。
従来のオンプレミス(自社保有のデータセンターやサーバー)に対する選択肢として、クラウド技術を最初に考慮することで、柔軟性や拡張性、コスト効率を追求することが目的です。
語源・由来
クラウドファーストの概念は、2000年代後半にクラウドコンピューティングが普及し始めた時期に登場しました。
特に、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platformといった主要なクラウドサービスプロバイダーが成長するにつれ、多くの企業でオンプレミスに依存せず、クラウドへの移行を優先する動きが加速しました。
この方針は、特にビジネス環境の変化が激しい市場で、迅速な対応力が求められる企業で採用されることが多く、競争優位を確保する手段の一つとされています。
使い方・具体例
- 新しいシステムを導入する際に、まずクラウドベースのソリューションを検討し、必要に応じてオンプレミスの選択肢を視野に入れる。
- データバックアップの方法として、オンプレミスのテープライブラリではなくクラウドストレージを活用する。
- 企業が国際拠点を増やす際、クラウドのグローバルリーチを活用して迅速なIT環境の構築を行う。
- 開発チームが新たなアプリケーションを構築する際、クラウドネイティブな技術を前提に開発を進め、コンテナやマイクロサービスを利用して柔軟なシステム設計を行う。
- 企業のデジタル化推進策として、従来のオフィス環境からリモートワーク対応を目的に、クラウドサービスを基盤としたITインフラに移行する。
注意点・よくある誤解
クラウドファーストにおけるよくある誤解の一つは、必ずクラウドを利用しなければならないというものです。
しかし、重要なのは最初にクラウドを検討し、最適な選択を行うことであり、すべての場合にクラウドが最適解ではない可能性も考慮しなければなりません。
また、データのセキュリティやプライバシー保護が十分でないと考えがちですが、近年のクラウドサービスは高度なセキュリティ機能を備えており、適切な設定や管理で安全性を確保できます。
そして、コスト削減が確実に実現するわけではなく、用途や規模によってはオンプレミスの方がコスト効率が良い場合もあります。
そのため、総合的に利点と課題を比較評価することが求められます。
まとめ
クラウドファーストは、企業がITインフラの選択においてクラウド技術を優先的に考慮する方針です。
これにより、柔軟性や迅速な対応が可能となり、競争力を高めることができますが、必ずしもすべてがクラウドベースでなければならないわけではありません。
適切な選択をするためには、クラウドの利点とリスクを総合的に評価し、自社のニーズに合ったソリューションを見つけることが重要です。
今後のIT戦略を考える上で、クラウドファーストの考え方を取り入れることで、新たな可能性を開拓できるかもしれません。